思い出を残す人、しまう人。恋のあとには、それぞれの過ごし方があります。
写真も部屋もそのままで、ひとり静かに息を整える。
部屋の写真を見つめながら、夜更けの通話を切れないでいる。
思い出は箱にしまう。捨てるかどうかは、後で決める。
引き出しに隠したはずなのに、電話口でつい口に出してしまう。
部屋をすっきり片付けたら、急に静けさが広がった気がする。
写真は消した。なのに、思い出話はまだ尽きない。
予定を埋めて歩く帰り道、ふたりの写真を開いてしまう。
スマホに写真を残したまま、カフェの席で近況を話している。
思い出は棚の奥。考え込む代わりに、足早に街を歩く。
視界からは外したけれど、友達の前では素直にこぼす。
写真を消して歩き出したのに、見覚えのある景色に足が止まる。
部屋を片付けて外へ出て、友達と笑いながら歩き出す。